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2015.08.21
昔ながらの製法で蜂蜜を作り、生計をたてている一家が登場する。とくに時代設定がいつかは明示されないが、監督アリーチェ・ロルヴァケルによると「1968年以降、政治の季節が終わった後」。
養蜂を営む一家の長は、父親のヴォルフガング、妻と4人の娘がいる。長女の名はジェルソミーナ。
父は、少女からおとなへと成長途上のジェルソミーナを、何かと信頼し、養蜂の手ほどきを授ける。養蜂や羊の飼育、畑作業で生きている一家で、古代エトルリアの遺跡が多くある、人里離れた、のどかな場所で暮らしている。そこに、現代文明の象徴とも言えるテレビのクルーがやってくる。「ふしぎの国」という番組で、現地で暮らす人たちに、その生活ぶりを語ってもらい、コンテスト形式で、優勝者には、多額の賞金が出る。司会者は、まるで女神のような出で立ちで現れる美女である。
同じ頃、父は、家族に無断で、犯罪歴のある少年を、養蜂の労働力として受け入れる。テレビのクルーや、少年の登場で、いままで、自然に寄り添うように、静かに暮らしていた家族に、いささかの波風が立ち始める。