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2015.07.10
ボヴァリー夫人とパン屋」は、小説「ボヴァリー夫人」を下敷きにした、ポージー・シモンズのグラフィック・ノベル「ジェマ・ボヴァリー」が原作となる。
映画は、小説の「ボヴァリー夫人」と同様、舞台は、フランスのノルマンディー。パリで出版社に勤めていた中年男マルタンが、家業のパン屋を継いでいる。マルタンは「ボヴァリー夫人」を愛読している。パン屋の隣に、イギリス人の夫婦が引っ越してくる。マルタンはその名を知って、驚く。夫はチャーリー・ボヴァリー、妻は、なんとジェマではないか。小説に登場する田舎医者は、シャルル・ボヴァリー、妻の名はエマである。まるで同じではないか。
隣人夫婦に、小説の「ボヴァリー夫人」の筋書きを、勝手に重ね合わせていく。そして、「ボヴァリー夫人」の筋書きに似た展開を妄想し始める。ところが、妄想どころではなく、小説同様の展開となる。まさに虚実皮膜、実際の人生が、小説を模倣していく。