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2016.03.24
映画の法廷劇に傑作は多いが、ドンデン返しの法廷劇の大傑作は、ビリー・ワイルダー監督の「情婦」だろう。日本語のタイトルには不満があるが、原作はアガサ・クリスティの短編小説を自身が戯曲化した「検察側の証人」である。チャールズ・ロートンが老弁護士に扮し、練達な芝居をみせる。未亡人殺害の容疑者がタイロン・パワー、その妻役がマレーネ・ディートリッヒ。ラストは二重に仕組まれた、みごとなドンデン返しだった。この「情婦」と比べるのはいささか酷だが、このほど見た「砂上の法廷」(ギャガ配給)もまた、鮮やかなドンデン返しの法廷劇だ。