クリスマス、忘年会、そして年が明けたら新年会。パーティーや宴席が多いシーズンが到来中です。年末年始、立食パーティーやホームパーティーに招かれる機会が増える人も多いのでは?
気の置けない仲間とのホームパーティーならまだいいのですが、仕事上のお付き合いでの立食パーティーに出席するときは注意が必要。立ったまま食べるというカジュアルなスタイルゆえに「マナーなんて関係ないでしょ?」と思われがちですが、実は立食パーティーにもマナー違反となるNG行動があります。
NG行動【1】 メインテーブルの前でおしゃべり
料理がずらりと並んだメインテーブルの前で、知人と久しぶりに再会。そのままおしゃべりが盛り上がって…。よくあるシチュエーションですが、実はこの行動もNG。メインテーブルの前でのおしゃべりはほかの人の邪魔になるだけでなく、不衛生なのでマナー違反とされています。メインテーブルは多くの人が行き来する場所。料理を取ったらサッとスマートに離れましょう。
NG行動【2】 友人の分の料理も取り分ける
「はい、◯◯さんの料理も取ってきたよ!」。一見すると親切心からの気の利いた行動のようですが、他人の分の料理まで取ってくるのはお行儀が悪いこと。料理もドリンクも、自分が食べる分だけを取りましょう。
NG行動【3】 歩きながら食べる
いくら立食パーティーといえども、会場内をウロウロ歩きながらものを食べるのは落ち着きがなく、行儀が悪い行動とみなされます。
NG行動【4】 イスに座ってゆっくり食べる
食事はイスに座ってするもの、それが普段の常識ですが、立食パーティーの場においてイスは食事をする場所ではありません。会場に用意されたイスは、本当に疲れたときや、足腰が弱い人のために用意されているものなので席取りは厳禁。イスに座ってのんびり食べるのも非常識な行動とみなされます。
NG行動【5】 食べ残しの皿をメインテーブルに置く
料理が並ぶメインテーブルに、食べかけの皿や使い終わった皿を置くのはマナー違反。「スタッフが片付けてくれるでしょう」と適当な気持ちで食べ残しの皿や飲み終えたグラスを置き去りにすると、料理を取りに来た他の人に不快な印象を与えてしまいます。
いくら自由な雰囲気といえども、パーティーの席もまた多くの人が行き交う公共の場。料理の取り方はもちろん、人に不快感を与える行動は慎むようにしましょう。
参考文献:『少しのコツで印象が変わる 美しい食べ方』エイ出版社
おすすめのレシピ
パーティにおすすめのフィンガーフードをご紹介!
ピンチョス2種のレシピ | 料理サプリ
もうすぐやってくるクリスマスの夜は、ショートケーキでお祝いするという家庭が多いのでは? ふわふわのスポンジ生地に生クリームをたっぷり塗って、イチゴを乗せてデコレーション。「ケーキといえばショートケーキ」というくらい、日本人にとってショートケーキは定番にして王道の国民的スイーツです。
ところでこのショートケーキ、実は欧米にはない、日本オリジナルに発展したケーキだということを知っていますか?
欧米の“shortcake”はスコーンのようなお菓子
アメリカやイギリスにも「ショートケーキ(shortcake)」と呼ばれるお菓子はありますが、これは日本人が思い描くショートケーキとは別もの。英語圏の「ショートケーク」はそもそもスポンジ生地ではなく、パンとクッキーの中間のような生地でイチゴと生クリームを挟んだもの。形はスコーンに似ていますが、それより軽くあっさりした味わいが特徴です。
ところが、この素朴な「ショートケーク」は、洋菓子=高級品という感覚を持つ大正時代の日本人の舌にはどうやら合わなかったのだとか。さらに、やわらかい食べものを好むという日本人ならではの嗜好、日本が世界有数のイチゴの生産国だという背景もあいまって、イチゴと生クリームという要素は残したまま、土台をスポンジケーキに置き換えた日本オリジナルの「ショートケーキ」が誕生したといわれています。
発案者については諸説ありますが、大正11年にペコちゃんでおなじみ「不二家」の職人が考案、販売したとされる説が有力。ただ、当然のことながら要冷蔵のお菓子であるため、実際に普及するようになったのは冷蔵設備が一般家庭に整う昭和30年代以降でした。
ショートケーキに似ているフレジエって?
日本オリジナルのケーキとあって、正統フランス菓子を標榜する店ではショートケーキを置かないところも少なくありません。そうはいってもケーキ=ショートケーキという概念を持つ人がまだまだ大多数のため、フランス版ショートケーキともいうべき「フレジエ」を置くことでお客さんのニーズに対応している店も数多くあります。
ちなみにフレジエとは、アーモンドスポンジの間にバタークリームとカスタードクリームを合わせたものとイチゴを挟んだケーキのこと。ピンク色のマジパンで表面を覆った見た目にも愛らしいケーキです。ショートケーキとフレジエを食べ比べてみると、それぞれの国でスイーツに求める価値観の違いが見えてくるかもしれませんね。
参考文献:『おいしいスイーツの事典』成美堂出版 『お菓子の由来物語』猫井登
12月20日は「ブリ」の日ということを知っていましたか? ブリは漢字で魚へんに師で「鰤」と書き、「師走」の時期に旬を迎えること、そして「2(ぶ)0(り)」という語呂合わせから、12月20日はブリの日になっているのです。「0」を「り」にするのはちょっと無理があるような気もしますが、この時期の脂が乗ったブリが大変に美味しいことには間違いありません。その名前の由来も江戸時代に貝原益軒がまとめた『日本釈名』に「あぶら多き魚なり。あぶらの上を略す」とあることから、「アブラ」「ブラ」「ブリ」と転じたものと考えられています。
ブリは成長によって名前が変わることから、縁起のいい「出世魚」「祝儀魚」として古くから伝統行事に使われてきました。その名前の変化は関東だと、「ワカシ」(10~20cm未満)、「イナダ」(20~30cm)、「ワラサ」(40~60cm)、「ブリ」(70cm以上)となり、関西だと関東と同じく大きさによって「ツバス」、「ハマチ」、「メジロ」、「ブリ」というように地域によって異なっています。ちなみに養殖ものは大きさに関わらず、「ハマチ」と呼んでいます。そして、そんな中で一番美味しいとされるのは、旬の冬に穫れる大きさ1m前後まで育った「寒ブリ」です。石川県能登、富山県氷見、神奈川県相模湾で穫れるものはとくに有名で、石川県の加賀前田家では初代前田利家の時代からお歳暮に正月魚として寒ブリを贈る習慣があったそうです。
ブリは美味しいだけでなく、タンパク質やIPA、DHAなどのほかにビタミンDやコラーゲン、タウリンなどが豊富に含まれています。刺し身はもちろん、塩焼きも照り焼き、しゃぶしゃぶやセビーチェなど、さまざまな料理に使われ、アラを使ったブリ大根も絶品です。この旬の時期、脂の乗った美味しいブリを食べることを忘れずに!
ケーキやドーナツといった洋菓子はもちろん、まんじゅうや大福、羊羹などの和菓子を食べるときも、ドリンクは欠かせません。ところで、餡を使った和菓子の場合は緑茶と相場が決まっていますが、紅茶とコーヒーを比べたときに、洋菓子と相性がよいのは果たしてどちらだと思いますか?
チョコレートと合うのはやっぱりコーヒー
コーヒーの魅力、それは苦味の中にも酸味や甘味などが入り混じった複雑な味わいです。そんなコーヒーと相性がいいのはチョコレート菓子全般。そもそもチョコレートはカカオ豆と胚芽を除去してすりつぶしたカカオマスと、カカオマスから抽出する脂肪分であるカカオバターを原料に作られるもの。苦味のなかに複雑な甘さを持っているという点は、まさにコーヒーとの共通点。カカオ豆とコーヒー豆、種類は違えど同じく原料は豆という点からも、味が馴染みやすいのでしょう。
さらにスイーツ上級者となると、豆の種類と焙煎度を基準にコーヒーを選びます。たとえば、ブラウニーのように濃厚な味わいがギュッと詰まったお菓子には、酸味が豊かで苦味が弱い浅煎りのコロンビア、メレンゲを使ったお菓子といった具合に。
コーヒーはそもそもの個性が強い飲み物なので、チョコレート菓子のようにコーヒーに負けない強い風味を持ったスイーツのほうが相性がいいといえるでしょう。
紅茶は上品な味わいの焼き菓子とベストマッチ
一方、淡い香りとやさしい味わいを持つ紅茶は、どんなスイーツとも好相性の万能ドリンク。たとえば、イチゴのショートケーキやクリームパイなど、クリーミーな甘味が感じられるお菓子には渋みが強く独特の芳香を持つダージリンが、サクッという食感とバターの風味が薫るクッキーやスコーンには、色・味・香りともに濃厚なアッサムのミルクティーがよく合います。
もちろん、お菓子とドリンクをどう組み合わせるかは、結局のところ各人の好みです。「一緒に食べるお菓子の味を損なわないもの」というドリンク選びの原則を覚えていれば、そう難しく考えることはありません。自分なりに色々試しながら、お菓子とドリンクの素敵なマリアージュを見つけましょう。
参考文献:『おいしいスイーツの事典』成美堂出版
食べもののおいしさを決めている最大の要素はなんでしょう? 香り? 舌触りや食感? それとも喉越し? もちろんどれも欠かせない要素ですが、当然のことながらおいしさの決め手となるのは「味」に他なりません。
では「おいしい」に貢献する「味」とは何でしょう? 世の中にはさまざまな料理があり、さまざまな「おいしい」のバリエーションがありますが、実はベースは共通しています。「甘味」、「うま味」、そして「適度な塩味」です。一方で、「苦味」「酸味」など単独では嫌な味でも、いろいろな他の味と組み合わせることで、絶妙なおいしさに繋がる味もあります。
赤ちゃんは「酸味」「苦味」が嫌い
赤ちゃんが最初に口にする食べもの=母乳には、実は昆布だしに匹敵するグルタミン酸が含まれています。つまり赤ちゃんは、生まれたときから「うま味」に親しんで育つということ。また、乳児になると「甘味」を好むようになり、酸味や苦味のある食べものを口にすると顔をしかめて嫌がります。
赤ちゃんと同様に、ほとんどの動物も甘味やうま味を好み、苦味や酸味を嫌います。これは生物として当然のこと。甘味をもっている代表的なものは、体のエネルギーのもとになる糖であり、甘味を欲することはエネルギーのシグナルなのです。同様に、うま味もまたエネルギー活動に欠かせないたんぱく質のシグナルといえます。
なぜ大人は苦味を楽しめるようになった?
ではなぜ人間は、大人になると酸味や苦味を好んで食べるようになるのでしょうか? コーヒーをおいしいと感じ、その苦味や酸味を楽しめる人がこれほどまで世界中に多いのはなぜでしょう?
それは学習効果によるものです。本来、多くの毒物は苦味を持っており、腐ったものは酸味を放ちます。苦味と酸味はかつては有害物質のシグナルだったのです。ですが、成長するにしたがって、私達は苦いもののすべてが毒ではないこと、酸っぱいもののすべてが腐敗物でないことを知るようになります。むしろ適度な苦味や酸味が、他の味と共存することで絶妙な味になることもある、その事実を体験則で学んでいるからこそ、大人の舌は複雑な「おいしさ」を味わえるのです。
参考文献:『だし=うま味の事典』 星名桂治ほか 東京堂出版
おすすめのレシピ
酸味がおいしいレシピをご紹介
揚げ鶏の酢醤油炒め煮のレシピ | 料理サプリ
見た目もゴージャスで、子どもも大人も一緒においしく食べられるローストチキンは、クリスマスのごちそうにもぴったりの一皿。下ごしらえをしたら、あとはオーブンで焼くだけと簡単なのも人気の理由です。もちろんオーブン任せにしてもいいのですが、おいしく焼くためには押さえるべきコツがあるのをご存知ですか?
そもそもローストチキンとは?
ローストチキンとは、かたまりのままの大きな鶏肉をオーブンで焼くこと。たとえば、まるごと1羽の鶏を下ごしらえして、玉ねぎ、ジャガイモ、かぼちゃ、にんにくなどの野菜類といっしょに天板に乗せ、オリーブオイル(もしくはサラダ油)をまぶしてオーブンで焼いた料理のことです。骨付きもも肉で作ると、骨に含まれるグルタミン酸と、肉に含まれるイノシン酸のW効果によって一層おいしくなります。
決め手は「こんがり」と「ジューシー」のバランス
ローストチキンを焼くときに最も注意しなくてはならないこと、それは表面の焦げ具合と、中身の火の通りのバランスです。表面はパリッとこんがり香ばしく、中はうま味たっぷりジューシーなのが理想のローストチキン。そうはいってもそのバランスを見極めるのは難しいところ。中身に火が通っていないのに、外側は焦げて真っ黒、なんて失敗例も珍しくありません。
おいしいローストチキンを作るために大切な第一のコツは、まずオーブンをしっかり予熱しておくこと。オーブンによって違いはありますが、焼き始めの目安は200℃と考えてください。高温で焼き始めることで、まず肉の表面がしっかり乾いてコーティングされるため、水分の蒸発が防げます。また、骨まで十分に高温の熱が伝わることで、コラーゲンがゼラチンに変化してグルタミン酸が引き出されます。
2つめのコツは、水分の多い野菜といっしょに焼くこと。天板の真ん中に肉を置いたら、そのまわりにじゃがいも、にんじん、玉ねぎ、セロリ、にんにくなどを敷き詰めましょう。野菜から出る水蒸気が肉の乾燥を防ぎ、オーブン内に水蒸気がこもることで温度が一定に保たれます。
そして3つめのコツは、焼いているあいだに肉から滲み出た油を、2~3回ほどかけること。天板にたまった油には、野菜の水分と肉のうま味がたっぷり溶け込んでいます。これらを再度、肉に染み込ませることで再び肉の表面がコーティングされ、水分の蒸発が防げます。また、油は熱伝導をよくするため、表面はパリッとこんがり香ばしく、中は水分が閉じ込められたジューシーなローストチキンができあがります。
以上の3つのコツを押さえておけば、誰でも簡単に絶品ローストチキンが作れるはず。今年のクリスマスのごちそうに、ぜひお試しください。
参考文献:『料理 なぜそうすると美味しくなるの?』服部幸應/監修 河出書房新社 『うまい!をつくる料理100のコツ「焼く」』主婦の友社
香ばしい焼き色がついたチーズ、アツアツのホワイトソースにごはんをからめて食べるドリア。この洋食の定番料理はもともとどこの国の料理なのでしょうか。イタリアンレストランチェーン「サイゼリヤ」の定番メニュー「ミラノ風ドリア」があることなどからイタリア料理のようなイメージもありますし、ホワイトソースを生み出したフランス料理のように思えなくもありません。しかし、実はドリアは日本で生まれた料理です。とはいっても、日本人が作ったわけではなく、ドリアを考案したのはスイス人のフランス料理シェフ、サリー・ワイル氏。彼は1927年(昭和2年)に神奈川・横浜にオープンした「ホテル・ニューグランド」の初代料理長でした。
ワイル氏は「日本に初めて西洋料理をもたらした」とされるシェフでもあります。ニューグランドでは「メニュー以外のいかなる料理もご用命に応じます」と明記し、客の希望に沿って創作料理を考案するのが得意だったとか。ドリアもそんなワイル氏の創作料理でした。ある日、ニューグランドに宿泊していた銀行家が体調を崩して「何か喉に通りのよいものを」とリクエストしました。そこでワイル氏が即興で作ったのが、バターライスの上に小エビのクリーム煮とグランタソースをかけて焼き上げた料理。これが日本の洋食「ドリア」の始まりです。この料理がワイル氏の弟子たちによって広まり、さまざまなアレンジが加えられて「ドリア」は定番料理となりました。ワイル氏が作った元祖ドリアは現在でもニューグランドの名物「シーフードドリア」として提供されています。しかし、この料理をワイル氏はドリアと名付けた理由はわかっていません。長い歴史のある洋食で今でも多くの人が食べているものなのに、その名前の由来がわかっていないというのもなんだか不思議なものですね。ちなみにイタリアのミラノには「ミラノ風ドリア」はありません。ミラノ名物のリゾットはサフランで鮮やかな黄色をしていることが特徴ですが、「ミラノ風ドリア」も同じようにスパイスを入れて黄色く炊いた米を使っていることが名前の由来になっているそうです。
冷たく締めた中華麺を熱いスープにつけながら食べる「つけ麺」。今や「つけ麺」は普通のラーメンをしのぐほど人気があり、長い行列ができる有名店も全国に数多くあります。この「つけ麺」が誕生したのは1955年(昭和30年)頃。「東池袋大勝軒」を営んでいた故・山岸一雄氏が考案したとされています。
そのベースになっているのは山岸氏のラーメン修行時代のまかない食。客にラーメンを出した後、ゆでザルに残った麺を集めて醤油を落としたラーメンスープにひたして食べていたそうです。独立した店でも、このまかない食を食べていたところ、それを見たお客さんが「美味しそう」という反応を示したために新商品として開発をスタート。試行錯誤の末に現在の「つけ麺」と同じスタイルのザルにたっぷりの麺を盛って、スープにつけて食べる「特製もりそば」を新たなにメニューに加えたのです。
「つけ麺」という名称が広がったのは、チェーン店「元祖つけ麺大王」の登場によるものとされています。その後、1970年代には第一次つけ麺ブームが起きますが、当時は「つけ麺」のほか、「もりそば」「つけそば」「中華盛り」などとも呼ばれていました。そして1990年代から山岸氏が弟子を取り始め、のれん分けをした弟子たちが全国各地でつけ麺を提供するようになりました。その影響で2000年前後から再び大きなつけ麺ブームが巻き起こったのです。
つけ麺の元祖・山岸氏の「東池袋大勝軒」は区画整理のために2007年3月に閉店。2015年4月、山岸氏は80歳で死去しました。100人を超える弟子を輩出したといわれており、山岸氏が考案した「つけ麺」は今でも多くの人々から愛されています。(TEXT:料理サプリ編集部)
おすすめのレシピ
<cite>ryorisapuri.jp</cite>
基本のスポンジケーキをふんわり軽い口当たりにするコツは、卵をよく泡立てること。特別な膨張剤や乳化剤などを加えなくても、卵の起泡性をしっかりいかして作ればふんわりしたスポンジケーキができあがります。もちろん、お菓子作りに慣れている人ならとっくに知っている事実でしょう。
ところで基本のスポンジケーキはうまく作れるのに、別素材をプラスした途端、生地がしぼんだり、口当たりが粗くざらついてしまったりして、悔しい経験をしたことがある人もいるのでは? たとえばココアやアーモンドパウダー、溶かしたチョコレートなどを加えてスポンジ生地を焼く場合は、実はコツが必要なのです。ここでは基本のスポンジケーキの焼き方を前提として、別素材をプラスするときの注意点をご紹介しましょう。
【コツ1】ココアやアーモンドパウダーを加えるとき
ココアパウダーを加えるときの第一のコツは、目の細かい茶こしなどでココアをふるって、薄力粉とよく混ぜ合わせること。ココアだけでは混ざりにくいため、薄力粉としっかり合わせておきましょう。また、ココアは脂肪分が多いため、混ぜすぎるとスポンジケーキのふっくらした食感の命である泡が消えてしまいます。ココアは基本の粉の1/6量を目安に配合してください。一方、同じ粉でもアーモンドパウダーは基本の材料に薄力粉をよく合わせた「後」に加えます。これはアーモンドパウダーに含まれる油脂が、粉と一緒に混ぜると泡をつぶしやすくなってしまうためです。
【コツ2】チョコレートやバナナを加えるとき
溶かしたチョコレートやピューレ状にしたバナナなど、濃度のあるものをスポンジ生地に加えるときは、卵黄と卵白を別々に泡立てて作るのが基本。チョコレートの場合は濃度があって混ざりにくいため、バターと一緒に溶かして流動性をもたせます。ピューレ状にしたバナナは卵黄と先に合わせておいてから、しっかりメレンゲにした卵白と一緒にするのが正解です。
スポンジケーキに別素材を加えるときは、材料それぞれの特性を知っておくことも大切。この2つのコツを頭に入れておけば、ワンランク上のおいしいスポンジケーキが作れるはずです。
参考文献:『お菓子作りのなぜ?がわかる本』 相原一吉 文化出版局
おすすめのレシピ
<cite>ryorisapuri.jp</cite>
シュトレンってなに?
ここ数年、冬の始まりにブラッセリーやパティスリーに行くと、「シュトレン予約受付中」という案内を目にする機会が増えていませんか? ドイツ語で「棒」を意味するシュトレン、またはシュトーレンとは、ドイツに古くから伝わる伝統菓子のこと。バター、ドライフルーツ、ナッツを加えた生地を二つ折りにして発酵させ、焼いた後にたっぷりの粉砂糖をかけた甘いパン菓子です。
誕生の地はドイツ!
シュトレンが誕生したのはドイツ東部のドレスデンという都市。歴史は古く、14世紀頃から新年や収穫祭などの祝い事の折に作られていたものが、いつしかクリスマスシーズンの定番菓子になったのだとか。砂糖漬けにしたドライフルーツを入れた生地を長方形にのばして二つ折りにし、中央が少し盛り上がった形で焼き上げる独特の形状は、イエス・キリストのおくるみ、ゆりかごの形を模したもので粉砂糖は生誕の日の雪を表しているという説をはじめ、東方三博士が誕生直後のキリストを訪ねたときに持っていた杖を模したという説、神父がかける袈裟(シュトーレ)を模したものという説などがあります。
いずれにせよ、キリスト教と関わりが深い祝い菓子であることは間違いないでしょう。ドイツでは待降節(クリスマスの1カ月前)の頃から各家庭でシュトレンが焼かれ、日曜日ごとに一切れずつスライスして食べながら、クリスマスを待つという風習が今も残っています。
バリエーションも豊富
ドライフルーツやラム酒の風味が次第にパン生地へ移っていくため、日を追うごとに味が馴染んでおいしくなっていくのもシュトレンならではの特徴。また、ドイツでは地域によってさまざまなバリエーションがあります。アーモンドパウダーを練り込んだ「マンデルシュトレン」、マジパンを練り込んだ「マルジパン」、芥子の実を練り込んだ「モーンシュトレン」、ナッツを練り込んだ「ヌッシシュトレン」、外側にバター、中にレーズンやアーモンド、ドライフルーツを練り込んだ「ブターシュトレン」、はたまたチーズを練り込んだ「クワルクシュトレン」も。
粉砂糖がたっぷりかかった甘い味は、大人も子どももおいしく食べられるはず。今年はシュトレンを一切れずつ楽しみながら、クリスマスへ向けて気持ちを高めていきませんか?(TEXT:料理サプリ編集部)
マグロ、タイ、カツオ、ヒラメ……etc. 日本人は海に生息している、さまざまな魚を刺し身にして火を通さずに美味しく食べています。一方、鮎やヤマメ、イワナといった淡水に住む川魚もよく食べますが、そのいずれも調理の際にしっかりと火を通し、生のまま刺し身で食べることはありません。なぜ、川魚は生食できないのでしょうか。
その理由は寄生虫です。海水魚は基本的にプランクトンやそれらを食べる小魚をエサにしていますが、淡水魚はコケや藻のほか、淡水に住む貝類や落ちてきた虫なども食べています。寄生虫はそうした貝類や虫に寄生していることが多く、川魚を食べることによって、その内臓に取り込まれていきます。川魚の寄生虫は火に通したり、凍らさせたりして死んでしまえば食べても何の問題もありません。しかし、刺し身などで生食すると今度は人間の体内に寄生して健康に悪影響を及ぼすことがあるのです。
川魚の体内に棲む寄生虫としては「横川吸虫」「肝吸虫」「有棘顎口虫」などがよく知られています。中でも危険なのが「有棘顎口虫」で、体内を移動した幼虫が脳や眼球まで入ると脳炎や失明することもあります。
もちろん、川魚を生食したからといって必ず寄生虫に寄生されるわけではありませんが、時にこうした重篤な症状を引き起こすことがあるため、基本的にしっかり火を通してから食べるようになっているのです。ちなみに、刺し身として多く流通している「サーモン」が生食できるのは、そのすべて養殖されたもので寄生虫の心配がない衛生的なエサを与えられて育ったからです。一方、天然の「鮭」は刺し身で食べるときは基本的に「ルイベ」にします。これは生の状態で一度冷凍する北海道の郷土料理で、この冷凍によって寄生虫が死滅するので火を通さずに食べることができるのです。(TEXT:料理サプリ編集部)
おすすめのレシピ
生で食べても大丈夫!マグロやタイを使ったレシピをご紹介。
https://ryorisapuri.jp/recipes/%E3%80%8C%E3%81%99%E3%81%9A%E3%81%8D%E3%80%8D%E3%81%AE%E7%9B%B4%E4%BC%9D%EF%BC%81%E3%83%9E%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%81%AE%E3%82%BF%E3%82%BF%E3%82%AD
<cite>ryorisapuri.jp</cite>
<cite>ryorisapuri.jp</cite>
日本を代表する料理をひとつ挙げろと言われたら、多くの人が「すし」と答えるのではないでしょうか。「すし」を漢字で書くときにもっとも多く使われる「寿司」は、江戸時代末期に作られた当て字で、もともと「鮨」「鮓」と書いていました。現在でも「鮨」のほうはよく使われていますよね。このふたつの漢字は中国から日本に伝わってきたもので、いずれも太古の文献に載っていることから2000年以上も前に作られた文字だということがわかっているそうです。もちろん、当時の中国には日本の寿司なんてありません。それなのに、なぜ寿司を表す漢字が作られたのでしょう。
実は漢字だけではなく、すし自体が中国から伝わったものと考えられているのです。すしの原型となった料理は、紀元前に東南アジア生まれたというのが定説になっています。それは米などの穀物を炊いたものに川魚を漬け込んで発酵させたもので、現在のなれ寿司に近いものでした。これが古代中国に伝わって、「鮨」「鮓」という漢字名がつけられたのです。そして、この料理が稲作とともに大陸文化のひとつとして日本に伝わり、長い時間をかけて日本料理を代表する「寿司」として進化していきました。一方、中国では宋の時代に「鮨」「鮓」が全盛期を迎えて広く流行しましたが、時が経つにつれてやがて食べられなくなるようになり、これらの漢字も使われなくなって料理自体も姿を消してしまいました。そんなわけで中国には「すし」を意味する漢字はあるのに、料理そのものはないという奇妙なことになったのです。現在でも中国南部の少数民族地域では、日本のすしの原型となったなれずしを食べているところがあるそうですが、食べ物の嗜好、その変化は不思議なものですね。(TEXT:料理サプリ編集部)
おすすめのレシピ
<cite>ryorisapuri.jp</cite>
とんかつの付け合わせやサラダに使うキャベツ、お刺身に添える「けん」など、細い千切りにした野菜は切ったあとで水にさらします。普段料理をするときに何気なくやっていることだと思いますが、この千切りにした野菜を水にさらすことで、どんな効果があるのかご存知でしょうか。
キャベツや大根など、ほとんどの野菜は90パーセント以上の水分を含んでいます。千切りにした後、何もしないで放っておくと切り口から水分が蒸発したり流れ出てしまうことで、切り口から乾き始めて茶色っぽくなったり、しなびたりして風味が損なわれてしまいます。そして、全体的に水分が失われることで野菜ならではの歯切れの良さもなくなっていきます。千切りにした野菜を水にさらすのは、こうした野菜の味の劣化を防ぐためです。
野菜を水にさらすと、野菜の細胞の中へ水が入り込んでいきます。しかし、細胞の中にもともとあった成分は細胞膜の作用によって、すぐには細胞の外に出ることができません。野菜の細胞は入り込んできた水によってパンパンにふくらむことになりますが、この細胞がふくらんだ状態が野菜をより歯切れ良くさせているのです。
このとき水が冷たくないと細胞膜が柔らかくなってしまい、歯切れの良さが生まれません。シャキシャキとした歯切れの良さを存分に味わうためには、野菜をさらすときに冷たい氷水にすることがポイント。そして、長く水にさらさないことも大切です。野菜を長時間水につけると細胞からビタミンCなどの成分が溶け出し、歯切れの良さだけでなく、栄養まで損なわれてしまいます。千切りにした野菜は水にさらすときは氷水を使い、1分程度で引き揚げるようにしましょう。これで瑞々しく歯切れの良い、千切り野菜ならではの美味しさが味わえるはずです。(TEXT:料理サプリ編集部)
片手でつまめて、具材のバリエーションも豊富。大人も子ども大好きなサンドイッチは、普段のお弁当からホームパーティーにまで活躍する人気者。「パンに野菜やハムを挟めばいいだけでしょ?」と自己流で作っている人も多いようですが、実はちゃんとおいしいサンドイッチを作るためには、守るべき3つの極意があります。
【極意1】野菜の水分をしっかり切る
レタス、きゅうり、トマトなど、定番の野菜類は切ってそのまま挟んでいませんか? 作ってすぐ食べるのならそれでも構いませんが、お弁当やパーティーメニューとして出すときは、時間が経つと野菜から水分が出てベチャベチャになってしまいます。レタスはきっちんペーパーでしっかり水分を拭き取る、きゅうりやトマトはスライスして種を取り除き、少量の塩を振って出た水分を拭き取ってからパンに挟みましょう。野菜の味がくっきりして、シャキシャキの食感もキープされます。
【極意2】バターorマヨネーズorチーズで「防水」
おいしいサンドイッチ作りの基本は、何はともあれパンにバターを塗ることです。これはパンにこうばしい風味を加えるという意味もありますが、それ以上に重要なのが「防水」の役割。野菜の水分がパンに染み込まないよう、油分でしっかりブロックするのです。もちろんマヨネーズやスライスチーズでもOK。具材との相性を見ながら組み合わせてください。
【極意3】具材は薄く、均等に切る
野菜、肉類、フルーツなどのパンに挟む具は、できるだけ薄く、均等に切るようにしましょう。具の大きさや厚みがバラバラだと、パンに挟みづらいだけでなく、食べるときにも切り口から具がこぼれやすくなってしまいます。均等な厚さに切ると、具がパンのあいだで落ち着き、切り口も美しくしあがります。きゅうり、トマトなどまとまりにくい具はハムやスライスチーズの上にのせるとうまく落ち着きます。具を挟み終えたら、重ねてラップに包み、15分ほど寝かせておくと、具とパンがよくなじんではがれにくくなります。
この3つの極意さえ守っていれば、時間が経ってもおいしさ&食感キープ! シンプルな手順だけにポイントを守って丁寧に作ると、仕上がりが格段においしくなりますよ!(TEXT:料理サプリ編集部)
参考文献:『料理 なぜ、そうすると美味しくなるの?』 服部幸應/監修 河出書房新社
おすすめのレシピ
<cite>ryorisapuri.jp</cite>
<cite>ryorisapuri.jp</cite>
<cite>ryorisapuri.jp</cite>
<cite>ryorisapuri.jp</cite>
<cite>ryorisapuri.jp</cite>
サバの味噌煮、かれいの煮付け、イワシの梅煮。季節を問わず、白いご飯と相性抜群の煮魚ですが、「魚料理は肉料理に比べるとなんとなくハードルが高くて…」という人もいるのでは? 魚特有のくさみを飛ばし、うまみをしっかり守るための3つの極意、ご存知ですか?
【極意1】魚がゆったり入る大きめの鍋で煮る
煮魚は鍋選びも重要。小さめの鍋で魚同士がくっついた状態で煮ると、加熱中に身がはがれたり、煮崩れしやすくなったりします。魚が重ならずにゆったり離れて並べられる、大きめの浅い鍋を選びましょう。浅い鍋がいい理由は極意3で解説します。
【極意2】煮汁を煮立たせてから魚を入れる
煮魚を調理するときの最大のコツ、それは煮汁をしっかり煮立たせてから魚を入れることです。煮立てた煮汁に魚を入れると、魚の表面のたんぱく質がすぐに固まり、うまみや栄養分が一気に封じ込められます。さらに、煮立った煮汁の熱で魚のなまぐさみも飛ぶというメリットも。逆に煮汁が冷たい状態から煮始めると、長く煮汁につかることで生臭さが煮汁に残る上に、うまみや栄養分が煮汁に逃げてしまうのです。
【極意3】落し蓋+少ない煮汁でスピーディーに仕上げる
少量の煮汁で煮始めて、できたときには煮汁がほとんどなくなっている。これが煮魚の上手な作り方です。煮汁の量が少ないので、鍋は浅めのものを使いましょう。そして重要なのが「落し蓋」。落し蓋をすることで、(1)沸騰した煮汁が蓋に当たり、素材の上部にも煮汁が行き渡る、(2)魚を抑えて動かないようにするので煮崩れを防げる、(3)鍋の中の空間を狭くすることで熱を有効利用できるようになる、などたくさんのメリットがあります。木の蓋を使うときは煮汁が蓋に染み込まないよう、濡らしてから使いましょう。もちろんアルミ箔で代用してもOK。
一口に「煮魚」といっても、魚の種類、煮方、味の付け方などはさまざまですが、この3つの極意は基本の大原則。魚介料理に不慣れな料理初心者さんでもすぐ実践できるコツばかりですので、ぜひこの3つの極意を守っておいしい煮魚を作ってみましょう!(TEXT:料理サプリ編集部)
参考文献:『うまい!をつくる料理100のコツ「煮る」』 主婦の友社/『料理 なぜ、そうすると美味しくなるの?』 服部幸應/監修 河出書房新社
おすすめのレシピ
<cite>ryorisapuri.jp</cite>
<cite>ryorisapuri.jp</cite>
<cite>ryorisapuri.jp</cite>
<cite>ryorisapuri.jp</cite>